2019年12月4日水曜日

米国:2019年後半は家庭用蓄電池の導入が盛んに



Wood Mckenzie社による、四半期毎の蓄電池導入データが更新され、2019年の第3四半期のデータが発表されました(下図参照)。

Federal Tax Creditの活用と、カリフォルニアでの山火事予防のための計画停電への対応のため、2019年後半の家庭用の蓄電池導入は増加傾向となっています。



2019年11月27日水曜日

太陽光発電の落札価格、また世界記録を更新

最近の太陽光発電の落札価格の下がり具合、世界記録の更新具合がすごいです。2019年11月22日の報道によると、ドバイにおける900MWの太陽光発電プロジェクトが、kwhあたり$0.016953で落札されたとのことです(!)。



先日も2019年の発電コストについての分析(下図参照)で、補助金を伴わない風力・太陽光発電の発電コストが既存の石炭・原子力発電所の限界費用(Marginal Cost)と遜色なくなってきていることが示されていましたが、天候の良い特別な場所においては、再エネの競争力がとても高いですね。

久々にびっくりしたので、記事にしてみました。

LCOE 2019 Comparison

2019年6月29日土曜日

米国: 再エネの発電量が石炭を上回る

EIAの発表によると、2019年4月は月の発電量ベースで、歴史上初めて、再エネの発電量が石炭による発電量を上回ったとのことです。

石炭産業の回復を約束していたトランプ政権ですが、米国ではトランプが大統領になってからのこの2年で50の石炭火力発電所がリタイアしており、このトレンドは続く見込みです。

U.S. monthly electricity generation from selected sources


2019年5月10日金曜日

PG&E破綻でどうなる?太陽光発電業界への影響・動向

先日、PG&Eの破綻によってカリフォルニア住民の負担が増えることについて書きましたが、エネルギー業界で仕事をしている立場からすると、より気になっているのは、再エネのPPA(Power Purchase Agreement)への影響がどうなるのか、ということです。

PG&Eは現在、損害賠償の額を約142億ドルと推定していますが、その負債を支払うための策の一つとして、破産裁判所(bankruptcy court)に、昔に高価格で締結された再エネのPPA(電力販売契約)の再交渉の許可を求めています。現在は、太陽光発電のPPA価格は昔に比べて格段に下がっています(下図参照)。



source: LBNL


Credit Suisse社の試算では、PG&Eは2012年以前の太陽光発電PPA(7MW以上)を再交渉することで、年間約22億ドル分が回収できる可能性があるとのことです。

一方で、問題を見越して既に太陽光発電プロジェクトの信用格付けは下がっており、そのことによるコスト上昇=PPA価格の上昇が起きています。太陽光発電業者の資金調達環境が悪化することで州の太陽光発電業界の発展に支障がでる可能性があるため、CPUC(California Public Utility Commision)はFERC(Federal Energy Regulatory Commision)に、PG&EによるPPAの再交渉を認めないよう、介入を求めています。


破産裁判所は、激しい法廷での闘争に入る前にPG&EとPPAの相手先企業NextEra Energy Resources など)との間での和解を勧めていましたが、期限である5月3日の時点で、和解には至りませんでした。


今後の動向が注目されます。


関連記事
https://www.greentechmedia.com/articles/read/pges-q1-reveals-sec-investigation-into-public-disclosures-accounting-of-wil#gs.a28ctc
https://www.greentechmedia.com/articles/read/the-looming-bankruptcy-battle-over-pges-renewable-energy-contracts#gs.a29uj5
https://www.utilitydive.com/news/exclusive-pges-future-rests-on-board-picks-cpuc-president-says/551628/









2019年4月30日火曜日

公共交通利用者の変遷可視化ツール

米国の都市における公共交通機関の利用者の変遷を見える化しているサイト「Transit Insights」をご紹介します。

2006年から2017年までの公共交通機関の利用者の変遷を見ることができ、都市毎のデータやトレンドを把握できます。

幾つかの地域を選択して比較することもできます。
例えば以下の図は、2つの地域を比較しており、一つの地域では公共交通の利用者が増加しており、もう一つの地域では減少している様子が見て取れます。



バス・鉄道の利用者の他、公共交通の運用コスト、ガス価格など様々な項目をグラフにして可視化することができます。弊社で行なっていたちょっとしたデータ分析に、このツールが役立ちましたので、皆様にもご紹介まで。

2019年4月19日金曜日

PG&E破綻がカリフォルニア州の住民に与える影響

カリフォルニア州の電力大手PG&E2019129、連邦破産法11条の適用を申請しました。

スタンフォード法科大学院の教授で破産法の専門家であるMarcus Cole教授が、その影響についてインタビューに答えていました。


Marcus Cole教授はカリフォルニアの納税者はPG&Eの責任(Liability)に直接責任を負うわけではないが、電力料金の価格上昇や不動産価値の低下、保険価格の上昇などによって皆の負担が増えると指摘しています。


以下、インタビュー記事よりの抜粋。

"Q:Are taxpayers in California ultimately responsible for PG&E’s liabilities?
A: Strictly speaking, taxpayers are not directly responsible for the PG&E’s liabilities, but the economics of the situation ultimately cost everyone in California in some way. First, it will be more expensive for ratepayers to receive electric power in California, because, as customers of the utility, they are the source of revenue necessary to cover these expenses associated with PG&E’s operations. Furthermore, even Californians who are not PG&E customers are likely to pay indirectly, in the form of lower real estate values, higher insurance rates, and even higher electric power rates from other, similarly situated providers who must account for the risks exposed by PG&E’s fires."

2019年3月30日土曜日

シリコンバレーのCCA - 2018年の状況

先日、家にPG&EとCCAであるSVCE (Silicon Valley Clean Energy)から、ハガキが届きました。(CCAについての説明はこちら

'Understanding Your Energy Choice'と題されたハガキには、PG&Eの電力料金とSVCEの電力料金の比較(2018年)がされています。

SVCEのdefaultメニューとなる「GreenStart」の料金はPG&Eの電力料金よりも少し安くなっています(月の平均料金が$114.87 vs. $111.84)。

また、電力MIXの内訳の比較もなされています。これによると、SVCEエリア内の住民は実質、55%が再生可能エネルギー、45%が大型水力発電からの電力を供給されており、100%カーボンフリーの電力が供給されていることになります。(物理的にではなく、仮想的にですが)。

Campbell, Cupertino, Gilroy, Los Altos, Los Altos Hills, Los Gatos, Milpitas, Monte Sereno, Morgan Hill, Mountain View, Saratoga, Sunnyvaleの住民は、オプトアウトしていない限り、100% carbon freeの電力を使っていると言えます。

ところで、CalCCA(California Community Choice Association)は、カリフォルニア州内のCCAs(Community Choice Aggregators)による再エネの長期契約(PPAs:Power Purchase Agreements)が2018年に10月に合計2,000 MW(2 GW)を超えたと発表しています*。

2017年にはカリフォルニアにおけるCCAの再エネ長期契約の総量は約1000MW(1GW)だったことから、この1年で約2倍に伸びたことになります。


*source: https://www.elp.com/articles/2018/11/california-ccas-double-renewable-energy-commitment-adding-1-gw-capacity-in-one-year.html

石油メジャー企業の持つ二つの顔

第一四半期が終わり、ようやくホッと一息ついています。

さて、今日は石油関連企業の動向についてです。近年、石油メジャー企業によるスタートアップ投資や買収の勢いは凄まじいです。

中でも先頭を走るShellは、最近、電気自動車充電インフラ提供のGreenlotsや蓄電池システム提供のSonnenなどのスタートアップ買収を発表して話題になっています。

今回面白いと思ったのは、非営利のコミュニティ利益会社InfluenceMapが出していたレポートです。

こちらによると、スーパーメジャー5社の設備投資のうち「低炭素(Low Carbon)」に関するものはわずか3パーセントだけ、また、ロビー活動やブランディング活動の予算のうち「気候(Climate)」に関するものは25パーセントとなっています。

それから、昨年11月の選挙では、ワシントン州での炭素税導入を始め様々な環境関連政策が妨げられましたが、その背後には石油企業の懸命なロビー活動もありました。

電気自動車一つとってみても、例えばShellは電気自動車充電関連の企業への投資や買収を加速する一方で、連邦政府によるEV tax creditに反対する石油業界団体のロビー活動にも参加しており、一枚岩ではありません。

石油企業は二つの顔を持ち、複雑なバランスを取っているようにも見えます。ただ一つ言えることは、社内でも様々な立場の人がいる中で、新しい事業創生を担う人たちはそこに注力し、企業全体としてはその勢いを止めない。この勢いが、変化の激しい時代に於いては、必要な勢いだと思います。

【追記】この記事を書いた直後(2019年4月2日)に、Shellは米国における石油業界団体のロビー活動から脱退することを発表しました。気候変動対策方針への不一致が原因とのこと。

2019年1月12日土曜日

サンフランシスコベイエリアの将来シナリオ

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて、今日はサンフランシスコ・ベイエリアの都市計画に関するNPO法人SPUR(San Francisco Bay Area Planning and Urban Research Association)が昨年出していた、ベイエリアの将来シナリオについての資料を紹介します。

「Four FutureScenariosfor theSan FranciscoBay Area」と題されたこの資料では、Critical UncertaintiesとしてEconomy, Housing, Transportation, Physical Formの問題を挙げ、External ForcesとしてClimate Change, Earth Quakes,そして The Federal Governmentを挙げています。「地球温暖化」や「地震」と並列で「連邦政府」が挙げられているのに思わず笑ってしまいましたが、それだけ連邦政府の動向がインパクトを与えるということでしょう。

Conclusionとして以下のように纏められていますが、Housingの問題やTransportationの問題の解決が、ベイエリアの持続可能な発展には急務だということが強調されています。

”Our region today has so much going for it: A diverse and open culture that embraces many kinds of innovation. A highly educated population. A network of walkable urban neighborhoods and fine old buildings. Beautiful natural scenery and iconic landmarks that make it famous around the world. And, of course, a powerful economic engine that generates new ideas, new companies and new jobs with seemingly limitless potential.
 But the tremendous success of the Bay Area economy has had unintended consequences. We have not grown the region’s physical form — especially housing stock and transportation capacity — at the same pace we have grown our economy. High housing costs are pushing people to the edges of the region and commutes are becoming untenable. Homelessness is overwhelming public life and services. If left unaddressed, these forces could take the region down a path of extreme inequality and, eventually, economic decline.
 It’s not too late to correct course, but doing so requires us to think deeply about how we got here — the decisions, chains of events and values that led to our current situation. By exploring several possible futures, we can better understand the outcomes of the decisions we make today and use that foresight to shape a better tomorrow for all of us who call the region home."

技術が目覚ましいスピードで進化し、イノベーションが次々と起きていくこの地ですが、「持続可能な発展」について考えている人々・取り組んでいる人々も多くいます。これからの数年は、「持続可能な発展」への取り組みの重要性がより一層増してくるでしょう。