2016年11月9日水曜日

カーシェアリングが車の所有に与える影響 

前回の投稿から、また時間が空いてしまいました。

その間、事業戦略の策定支援の他、米国でのスタートアップ立ち上げ等にも実際に携わっておりました。また、最近はエネルギー分野に留まらず自動車分野や、AI(人工知能)活用に関する戦略立案や技術支援も行っております。(こちらのブログにもそのうち、関連するトピックを書いていけたらと思っております。)

さて今日は、カーシェアリングが人々の車の所有に与えるインパクトについて、面白いスタディがあるので簡単にご紹介します。こちらのスタディはバークレー大学のTransportation Sustainability Research Centerによって行われたもので、世界最大のCar Sharing OperatorであるCar2Goが、人々の車の所有に与える影響を調査したものです。調査は北米の5つの都市で行われました。

結果は以下の通りです。

・Car2Goの車1台につき、平均1〜3台の車が実際に売られた
・Car2Goの車1台につき、平均4〜9台の車の購入が控えられた
・上記を合わせると、Car2Goの車1台につき、平均7〜11台の車の所有が抑えられた

以下のテーブルに5都市でのそれぞれの結果が載っています。

こちらはCar2Go1社のみについての調査であり、他にも様々なカーシェアリングサービスがあること、そしてさらにUberなどのライドシェアリングサービスがあること(参考:Car2Goの利用者が120万人に対してUberの利用者は800万人)を考えると、今後の車の所有にこれらのサービスが与える影響はとても大きいことが分かります。

そういった、もう少し俯瞰的な考察についてはまた別の機会に書ければと思います。

東京工業大学にて講演しました

先日9月3日に、東京工業大学にて、技術経営専門職学位課程及びイノベーション科学系の社会人学生の方々を対象に、「クリーンテックのイノベーション動向」について講演しました。

まず米国におけるクリーンテックの現状について様々なスタートアップの事例を交えながら紹介し、その後、支える政策や電力会社の役割、エコシステムについてお話ししました。

カリフォルニアにおけるVenture Capitalの投資状況については、以下の図を基に説明しました。また、最近のクリーンテック・スタートアップ企業のトレンドとして、1)データの活用(Big Data)、2)Energy as a Service、3)古い産業の効率化、の3点についてお話ししました。(Source:Next 10, Cleantech Forum)


質疑応答では様々な分野からの質問で盛り上がりましたが、特に日米間における比較、特にイノベーションを取り巻く日米間の環境の比較(と、その環境をどのようにimproveしていくべきか)に皆さん関心があるようでした。

終わってからも、シリコンバレーの臨場感が伝わって良かった、といった良いフィードバックを多く頂き、大変励みになりました。またこのような機会があれば、ぜひお話させて頂ければと思います。