2017年8月16日水曜日

電気自動車DRアグリゲーションの難しさ

PG&EとBMWが協力して実施していたパイロットプロジェクトのPhase1の結果が出ていました。

2015年7月から2016年12月までの18ヶ月間のパイロットプロジェクトで、計209回、19,500KWhのデマンドレスポンス(DR)を提供したとのことです。プロジェクトには100台のBMWi3が参加。車による電力削減量がDRの最小単位(100KW)に十分でない時には、2次利用の蓄電池からの電力を施設で使用することでDRを達成。結果として、平均で20パーセントのDRが車により、残りの80パーセントは蓄電池により行われたそう。

プロジェクトに参加した電気自動車は100台とのことですが、そのうちDRイベントに参加した車は平均で7台。まだまだ、電気自動車のDRへの利用は難しいことが分かります。車の第一の存在意義は移動に使われること、であるため、電気自動車のDRで安定して結果が得られるようになるには、多くの参加者・規模が必要になります。停まっている車が常に充電されているわけではない、という点も鍵です。

参考までにですが、夜中の11時-2時のPG&Eの電力料金の安い時間には、(その時間に充電している人が多いため)、車のDRイベントへの参加率も高かったそうです。

(source: http://www.pgecurrents.com/wp-content/uploads/2017/06/PGE-BMW-iChargeForward-Final-Report.pdf)

先日、DRAM2018&2019の最新情報についての記事を書きました。その中で、電気自動車を対象としたデマンドレスポンスをアグリゲーションするeMotorWerksが今回は入らず、まだまだ電気自動車のDRアグリゲーションが難しいようである、と記しましたが、こちらのBMWの実証実験からも、同様のことが窺えますね。

【追記】facebookでコメントを頂いたので、こちらに追記しておきます。こちらは現行のCAISOのPDRに参加する上での現状の課題について書いたものです。将来のDRについては、以前書いた記事を参考にしてください。