2017年3月12日日曜日

どうなる?デマンドレスポンスの将来

2025年におけるカリフォルニアのデマンドレスポンスのポテンシャルを評価した「DRポテンシャルスタディ」の最終版が3月1日に発表されました。

このスタディはローレンスバークレー研究所によって行われたもので、DRのタイプをShed、Shape、Shift、Shimmyの4種類に分けて詳細を分析しています。Shed及びShapeは現在行われているタイプのDR。Shedはピーク時に需要を抑える従来型のDR、ShapeはTOU(Time of Use)など、料金体系を変えることによるDR。Shift及びShimmyは将来のDRで、Shiftは日々の電力需要をシフトすることによるDR、Shimmyは即応性のあるFast DR。

結論としては、料金体系を変えることによるDRが最もコストが低く、効果的であると主張されています( 注:カリフォルニアでは現時点では家庭用のTOUはオプトイン型のパイロットが行われている段階ですが、2019年には基本的に全ての家庭にてTOUが導入される予定です。)

また、日々の電力需要をシフトするShift DRについては、工業プロセス及び排水、商業分野の空調システムの技術が最も寄与するとされていますが、蓄電池のコストが下がった場合には家庭用蓄電池・電気自動車も非常に大きな役割を果たすことが示されています(下図参照)。

Shimmy DRについても、商業分野のLightingや空調システム技術が最も寄与するとのことですが、同様に、蓄電池のコストが下がった場合には家庭用蓄電池・電気自動車も大きな役割を果たすとしています。

ちなみに、このレポートの作成に携わったローレンスバークレー研究所のMary Annさんによる発表が先週サンフランシスコにてありました。(主な参加者は大手電力会社、DERP(Distributed Energy Resource Provider)などで、質疑応答も活発に行われました。)その中では、今後は応答性のある負荷を用いた動的な通信、制御、アグリゲーションが必要になるとして、将来の展望が紹介されていました。

(2017年3月2日、PG&Eにて、筆者撮影)


【追記】関連リサーチ " Clean vehicles as an enabler for a clean electricity grid"