2011年2月25日金曜日

太陽光発電のよくある勘違い

「日射量の多いところほど、太陽光発電が導入されている…わけではない」

以下は、州ごとのPV(太陽光発電)システム導入量の試算が示されているマップです。カリフォルニアがダントツの導入量を誇っています。カリフォルニアは日差しが強く日射量が多いからPVの導入が進んでいるのだろう、と考えてしまいがちですが、実際には日射量よりも、もっと重要なファクターがあります。


Source: http://www.solarinstalldata.com/


上のマップと、下記の日射量のマップを比較すると、PV導入量と日射量はそれほど相関していないことが分かります。


Source: http://www.nrel.gov/gis/solar.html

一方で、以下の州ごとの電力料金を示したマップは、より導入量との相関が見られます。電気料金の高い地域ほど、太陽光発電などの代替エネルギーが相対的に安くなるため、導入が進んでいるということです。


Source: http://www.eia.doe.gov/energyexplained/index.cfm?page=electricity_factors_affecting_prices

もう一つの大事な要因が、経済的なインセンティブの多さ(奨励金や税金の控除など)です。


Source: http://www.dsireusa.org/solar/summarymaps/

PVの普及に与える要因については、様々な研究がなされています。例えば カリフォルニア州におけるPV導入について調査したこちらの論文では、電力価格やインセンティブの他、「当該地域で、他の人が多く導入しているほど導入が進む」という、いわゆる経済用語で言うネットワーク外部性の影響も示唆しています。

マーケティング戦略を立てる際には、当然ながらこういったことを考慮に入れる必要があります。

追記)今後、アメリカのPV市場について、こうした各州の電力価格及びインセンティブを詳しく調査し、更に競合分析なども加えた市場分析を行うことを考えています。もし、PV関連製品の米国市場展開や戦略をお考えの方で、ご興味のある方は sayaka [at] eneleap.comまで ご連絡ください。