2019年1月12日土曜日

サンフランシスコベイエリアの将来シナリオ

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて、今日はサンフランシスコ・ベイエリアの都市計画に関するNPO法人SPUR(San Francisco Bay Area Planning and Urban Research Association)が昨年出していた、ベイエリアの将来シナリオについての資料を紹介します。

「Four FutureScenariosfor theSan FranciscoBay Area」と題されたこの資料では、Critical UncertaintiesとしてEconomy, Housing, Transportation, Physical Formの問題を挙げ、External ForcesとしてClimate Change, Earth Quakes,そして The Federal Governmentを挙げています。「地球温暖化」や「地震」と並列で「連邦政府」が挙げられているのに思わず笑ってしまいましたが、それだけ連邦政府の動向がインパクトを与えるということでしょう。

Conclusionとして以下のように纏められていますが、Housingの問題やTransportationの問題の解決が、ベイエリアの持続可能な発展には急務だということが強調されています。

”Our region today has so much going for it: A diverse and open culture that embraces many kinds of innovation. A highly educated population. A network of walkable urban neighborhoods and fine old buildings. Beautiful natural scenery and iconic landmarks that make it famous around the world. And, of course, a powerful economic engine that generates new ideas, new companies and new jobs with seemingly limitless potential.
 But the tremendous success of the Bay Area economy has had unintended consequences. We have not grown the region’s physical form — especially housing stock and transportation capacity — at the same pace we have grown our economy. High housing costs are pushing people to the edges of the region and commutes are becoming untenable. Homelessness is overwhelming public life and services. If left unaddressed, these forces could take the region down a path of extreme inequality and, eventually, economic decline.
 It’s not too late to correct course, but doing so requires us to think deeply about how we got here — the decisions, chains of events and values that led to our current situation. By exploring several possible futures, we can better understand the outcomes of the decisions we make today and use that foresight to shape a better tomorrow for all of us who call the region home."

技術が目覚ましいスピードで進化し、イノベーションが次々と起きていくこの地ですが、「持続可能な発展」について考えている人々・取り組んでいる人々も多くいます。これからの数年は、「持続可能な発展」への取り組みの重要性がより一層増してくるでしょう。

2018年10月13日土曜日

いよいよ進む?都市における車走行データの共有

先日、Uber, Lyft, Fordが都市データのシェアリングでSharedstreetsと提携、というニュースがありました。その一環として、Uberが今後数ヶ月のうちにストリートセグメントレベルの速度データを無料で公開すると発表しています。
SharedStreetsはNational Association of City Transportation Officials (NACTO) 及び
Open Transport Partnershipがローンチした交通データの標準及びプラットフォーム

今回、Uberの出しているUber Movementという都市計画ツールで、現在はどのようなデータが見られるのかを試して見たところ、過去のTripの所要時間の平均が結構細かく見られることがわかりました。現在地と行き先を指定すれば、所要時間の平均を設定した期間別、時間帯別、曜日別などに見ることができます。

なお、UberがInsightとして出していた、「2016年のロンドンのTower Bridgeの閉鎖によるTravel時間への影響」の分析が少し面白かったです。
ちなみに私も、2017年にサンフランシスコでSalesForceのイベントがあった時(注:サンフランシスコ中が混むイベントの代表例)は所要時間にどのような影響があったのかをUber Movementのデータを基にチェックしてみたところ、やはりイベント時には所要時間が増えていたことが確認できました。

フォード社は今回の提携で「路上空間の需要や有無をリアルタイムで示すのに利用できるユニバーサルなデータ標準の策定に取り組む」とのことです。スタンダードが整備されていくことは、データの共有・さらなる活用を促進すると思いますが、一方で、データが企業の宝となり重要な戦略決定を担うこの時代、criticalなデータに関しては自社で持ち、共有できる範囲でデータを共有していく、ということになるでしょう。企業ごとのデータ活用・ビジネス戦略が益々重要になってきます。


2018年10月6日土曜日

Ethereum価格の低調継続。

今週、Enterprise Ethereum Alliance (EEA) とHyperledgerの提携が発表されました。Etherumの価格が上がるかな?と思って見ていたのですが、関係なく、低調が続いています。



Eneleap Consulting社では今年、「エネルギー分野におけるブロックチェーン標準化及び主要企業の動向 」について有料レポートを発行しております。ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア等における主要企業・スタートアップの動向を取り上げています。ご関心ある方はinfo@eneleap.comまでどうぞ。

2018年9月29日土曜日

Uber/Lyftは何曜日に多く使われる?

こんにちは。今日はサンフランシスコでのUber/Lyft(TNC=Transportation Network Company)の使われ方についてのお話です。

SFTCA (San Francisco County Transportation Authority)のウェブサイトで、2016年の11月−12月の1ヶ月間に取られたデータの纏めを見ることができます。このデータによると、Uber/Lyftが最も多く使われるのは金曜日で、平均で222,500回もの乗車が行われています。意外なことに、土曜日(平均220,600回)よりも金曜日の方が多く使われています。また、日曜日はガクンと乗車数が減ります(平均129,000回)。なお、金曜日は仕事後に街に繰り出す人がとても多いことが時間帯別の利用データからよくわかります。


UC Davisが以前行っていた別の調査では、Uber/LyftなどのRide-hailingを利用する理由として「アルコールを飲んだ後の飲酒運転を避けるため」という理由が最も多く挙げられていました。アルコールを飲む日だけUber通勤、という人も多いことでしょう。

また、先ほどのデータからは混雑の酷い街の中心地で、Uber/Lyftがよく使われていることも見て取れます。UC Davisの調査で2つ目、3つ目に多かった利用理由は「駐車場を見つけるのが困難」「駐車場料金が高すぎる」でしたので、こちらも納得です。

ところで、Uberをよく使っていた私ですが、最近は(プライベートの利用においては)Lyft派に転向しました。サンプル数たかだか「3」程度ですが、私の周りでもUberからLyftに変わった友人がいます。理由は、Lyftの方が、HAPPYな運転手さんに当たる可能性が高く、車内を快適に過ごせるから(Uberは運転手の待遇が酷いらしいです)。サービスを提供する上で大変重要な運転手を大事にしているか否かに、企業のcultureが表れている気もします。

2018年7月25日水曜日

エネルギー関連投資の動向

先週、IEAが世界のエネルギー関連投資についてのレポートを出していました。

色々興味深いデータが載っていますが、2017年の投資状況の概要を表すものとして以下のグラフを載せておきます。


2017年はOil and Gasへの投資が2016年と比較すると増えていますが、電力関連投資の方が総額は上回っており、特にNetworks(スマートグリッド関連投資)は投資の勢いが衰えていません。

2018年7月24日火曜日

Google Project Sunroof

先日の記事では、電気自動車インフラの導入可能量をシミュレーションできるサイトを紹介しました。本日は、太陽光発電の導入可能量をシミュレーションできるサイトの一つ、Google Project Sunroofをご紹介します。

こちらで Zipcodeや市の名前を入れると、どのくらいの太陽光発電の導入が可能か、がシミュレーションできます。

例えばアップル本社のあるクパチーノ市であれば、97%の建物に太陽光発電が導入可能で、既に1100以上の太陽光パネルが導入されているとのことです。


導入されている太陽光パネル数の計算には、machine learning技術が使われています。 衛星写真のデータを使ってトレーニングし、太陽光パネルを検出しています。

類似するサイトやサービスは他にも多くありますが、今回は代表的なものとしてこちらを取り上げました。

2018年7月13日金曜日

電気自動車充電ステーションの配置計画シミュレーション

ENELが今年2月に出したレポートでは、オハイオ州のコロンバス都市圏を対象に、同エリアでの効果的な充電インフラ設置について分析しています。

シミュレーションの結果導かれた電気自動車の充電プロファイルは下図の通りで、
以下のように纏められています。

  • 充電の大半は家で、16時〜24時の間に行われる。
  • プラグインハイブリッド車(PHEV)の職場充電のピークは8時頃
  • 走行距離の長い電気自動車には、職場充電は不要
  • 公共のレベル2充電器は、PHEVによって日中、コンスタントに使われる(PHEVオーナーは、電気での走行を最大限にしようとする、という仮定のため)
  • DCFC(急速充電)への需要はそれほどない(レポートではlocal travelに焦点を当てているため)

レポートではChargepointのリアル充電データとの比較もなされており、現実ではレベル2充電器はそれほど使用されておらず、PHEVオーナーは電気での走行を最大限にしようとするという仮定は必ずしも正しくない、という考察もあります。

結論として、充電インフラを以下のような場所(マップ上の赤い点)に設置するのが良い (上図:Level 2、下図:DC)、と提案しています。



より現実的なものにするにはもう少し色々考慮する必要があると思いますが、このようなベースとなるシミュレーションツールを作成したのはとてもよい成果だと思います。

なお、DOEのこちらのページでは、このENELの作ったシミュレーションを使って、米国の州や市のそれぞれで、「どのくらいのEVを導入するならどのくらいの充電器が必要か」がシミュレーションができます。