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2020年11月25日水曜日

ロサンゼルス市のグリーンニューディールとスマートシティ・ネットワーク

 先日、スタンフォード大学主催のエネルギーセミナーで、ロサンゼルス市のグリーンニューディールについての話がありました。興味深い内容でしたので、簡単に内容を纏めておきます。


ロサンゼルス市は電力、ビル、交通、廃棄物、水の5つの分野で積極的な目標を定めています。2045年までに電力を100%再生可能エネルギーに、そして2050年までに全てのビルでNet-zero Carbonを実現&市内の車の全てをZero Emission Vehicleに、と非常にアグレッシブな目標を掲げています。


また、これらの目標の実現を通じて、2035年までに30万の雇用、2050年までに40万の雇用を生み出すとしています。


以前から力を入れている港のグリーン化にも引き続き力を入れていく予定で、トラクターやトラックの電動化を進めていきます。


特に面白いと思ったのは、アメリカや世界においてグリーン政策を推し進める市長ネットワークの存在です。「Climate Mayors」というネットワークでは米国の48の州から468の市長が参加していて情報共有をしており、また、「C40 Cities」には世界の97の大都市が参加して、グローバルなグリーンニューディールに向けた議論・取り組みを行なっているとのことです。


スマートシティを推進する市がネットワークを構築し、良い活動を他の市も取り入れていくことで、取り組みが世界に広がっていく。その動きは今後、益々加速していきそうです。

2019年1月12日土曜日

サンフランシスコベイエリアの将来シナリオ

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて、今日はサンフランシスコ・ベイエリアの都市計画に関するNPO法人SPUR(San Francisco Bay Area Planning and Urban Research Association)が昨年出していた、ベイエリアの将来シナリオについての資料を紹介します。

「Four FutureScenariosfor theSan FranciscoBay Area」と題されたこの資料では、Critical UncertaintiesとしてEconomy, Housing, Transportation, Physical Formの問題を挙げ、External ForcesとしてClimate Change, Earth Quakes,そして The Federal Governmentを挙げています。「地球温暖化」や「地震」と並列で「連邦政府」が挙げられているのに思わず笑ってしまいましたが、それだけ連邦政府の動向がインパクトを与えるということでしょう。

Conclusionとして以下のように纏められていますが、Housingの問題やTransportationの問題の解決が、ベイエリアの持続可能な発展には急務だということが強調されています。

”Our region today has so much going for it: A diverse and open culture that embraces many kinds of innovation. A highly educated population. A network of walkable urban neighborhoods and fine old buildings. Beautiful natural scenery and iconic landmarks that make it famous around the world. And, of course, a powerful economic engine that generates new ideas, new companies and new jobs with seemingly limitless potential.
 But the tremendous success of the Bay Area economy has had unintended consequences. We have not grown the region’s physical form — especially housing stock and transportation capacity — at the same pace we have grown our economy. High housing costs are pushing people to the edges of the region and commutes are becoming untenable. Homelessness is overwhelming public life and services. If left unaddressed, these forces could take the region down a path of extreme inequality and, eventually, economic decline.
 It’s not too late to correct course, but doing so requires us to think deeply about how we got here — the decisions, chains of events and values that led to our current situation. By exploring several possible futures, we can better understand the outcomes of the decisions we make today and use that foresight to shape a better tomorrow for all of us who call the region home."

技術が目覚ましいスピードで進化し、イノベーションが次々と起きていくこの地ですが、「持続可能な発展」について考えている人々・取り組んでいる人々も多くいます。これからの数年は、「持続可能な発展」への取り組みの重要性がより一層増してくるでしょう。

2018年10月13日土曜日

いよいよ進む?都市における車走行データの共有

先日、Uber, Lyft, Fordが都市データのシェアリングでSharedstreetsと提携、というニュースがありました。その一環として、Uberが今後数ヶ月のうちにストリートセグメントレベルの速度データを無料で公開すると発表しています。
SharedStreetsはNational Association of City Transportation Officials (NACTO) 及び
Open Transport Partnershipがローンチした交通データの標準及びプラットフォーム

今回、Uberの出しているUber Movementという都市計画ツールで、現在はどのようなデータが見られるのかを試して見たところ、過去のTripの所要時間の平均が結構細かく見られることがわかりました。現在地と行き先を指定すれば、所要時間の平均を設定した期間別、時間帯別、曜日別などに見ることができます。

なお、UberがInsightとして出していた、「2016年のロンドンのTower Bridgeの閉鎖によるTravel時間への影響」の分析が少し面白かったです。
ちなみに私も、2017年にサンフランシスコでSalesForceのイベントがあった時(注:サンフランシスコ中が混むイベントの代表例)は所要時間にどのような影響があったのかをUber Movementのデータを基にチェックしてみたところ、やはりイベント時には所要時間が増えていたことが確認できました。

フォード社は今回の提携で「路上空間の需要や有無をリアルタイムで示すのに利用できるユニバーサルなデータ標準の策定に取り組む」とのことです。スタンダードが整備されていくことは、データの共有・さらなる活用を促進すると思いますが、一方で、データが企業の宝となり重要な戦略決定を担うこの時代、criticalなデータに関しては自社で持ち、共有できる範囲でデータを共有していく、ということになるでしょう。企業ごとのデータ活用・ビジネス戦略が益々重要になってきます。


2018年7月24日火曜日

Google Project Sunroof

先日の記事では、電気自動車インフラの導入可能量をシミュレーションできるサイトを紹介しました。本日は、太陽光発電の導入可能量をシミュレーションできるサイトの一つ、Google Project Sunroofをご紹介します。

こちらで Zipcodeや市の名前を入れると、どのくらいの太陽光発電の導入が可能か、がシミュレーションできます。

例えばアップル本社のあるクパチーノ市であれば、97%の建物に太陽光発電が導入可能で、既に1100以上の太陽光パネルが導入されているとのことです。


導入されている太陽光パネル数の計算には、machine learning技術が使われています。 衛星写真のデータを使ってトレーニングし、太陽光パネルを検出しています。

類似するサイトやサービスは他にも多くありますが、今回は代表的なものとしてこちらを取り上げました。

2018年7月13日金曜日

電気自動車充電ステーションの配置計画シミュレーション

ENELが今年2月に出したレポートでは、オハイオ州のコロンバス都市圏を対象に、同エリアでの効果的な充電インフラ設置について分析しています。

シミュレーションの結果導かれた電気自動車の充電プロファイルは下図の通りで、
以下のように纏められています。

  • 充電の大半は家で、16時〜24時の間に行われる。
  • プラグインハイブリッド車(PHEV)の職場充電のピークは8時頃
  • 走行距離の長い電気自動車には、職場充電は不要
  • 公共のレベル2充電器は、PHEVによって日中、コンスタントに使われる(PHEVオーナーは、電気での走行を最大限にしようとする、という仮定のため)
  • DCFC(急速充電)への需要はそれほどない(レポートではlocal travelに焦点を当てているため)

レポートではChargepointのリアル充電データとの比較もなされており、現実ではレベル2充電器はそれほど使用されておらず、PHEVオーナーは電気での走行を最大限にしようとするという仮定は必ずしも正しくない、という考察もあります。

結論として、充電インフラを以下のような場所(マップ上の赤い点)に設置するのが良い (上図:Level 2、下図:DC)、と提案しています。



より現実的なものにするにはもう少し色々考慮する必要があると思いますが、このようなベースとなるシミュレーションツールを作成したのはとてもよい成果だと思います。

なお、DOEのこちらのページでは、このENELの作ったシミュレーションを使って、米国の州や市のそれぞれで、「どのくらいのEVを導入するならどのくらいの充電器が必要か」がシミュレーションができます。